文学フリマin大阪参加情報まとめ

名古屋大学文芸サークルは、第十六回文学フリマin大阪に参加します。


(表紙イラスト:梅子)

日時 2013年4月14日(日)11:00〜16:00
会場 堺市産業振興センター イベントホール
ブース D-28
サークル名 名古屋大学文芸サークル
タイトル 林檎
判型 A5判・144P
頒価 600円

 
『林檎』には15の短編・掌編が収録されますが、ただ部員の書いた小説を一冊にまとめたわけではありません。

◇本書のお楽しみ方◇
 
 名古屋大学文芸サークルでは、様々な学部・専攻の学生が集まって仲良く活動をしています。
 部員たちはそれぞれの学問領域において、他の学部や専攻の学生が知らない専門用語に日々触れています。そこで今回、「自分の学部や専攻とは別の分野の、全く知らない専門用語をお題にして作品を書く」というテーマで、サークル誌を作ってみることにしました。自分以外の部員が挙げた専門用語をお題に選び、用語の字面や読み方のみを頼りに想像力を働かせて作品を作り上げました。もちろん執筆者は用語の意味をいっさい調べません。今回の試みでは、知らない専門用語の意味を正確に言い当てようとすることより、むしろありそうもない、的外れな意味を自由に想像して書くことで、ユニークな作品が完成されるのをねらいとしています。
(『林檎』より抜粋)

『ヘンレのワナ』『ストップワード』『現実の引渡し』『うらしま太郎型とかぐや姫型』『仮想水』などなど、様々な分野から専門用語が集まりました。
それらをお題として作り上げられた作品も、多種多様な読み味になっております。
文学フリマin大阪にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
 
 
以下、『林檎』収録作品一覧です(再掲)。

『林檎』収録作品

  • 『ヘンレのワナ』渋江照彦
    (お題「ヘンレのワナ」)
    「ヘンレの家」という曰くつきの家に新しく移り住んだ弁護士の卜部一家は、其処で恐ろしい現象を次々と目の当たりにするのであった……。
  • 『ウルトラ・アーク』エンディミオン
    (お題「手続き的記憶」)
    手続き的記憶はいつも曖昧で、しかし止む事がなかった。いつの間にかその網に捕えられていた彼は、キオクの先で待つはずの誰かを追い求めて苦悩する。こうしていればいつか答えに、彼女に辿り着けるのだろうか。
  • 風洞やなぎ
    (お題「風洞」)
    図書館か、古本屋かある場所であなたは本に挟まれた一通の手紙を見つけました。それには一人の女性のある告白が綴られていました。どうぞ、あなたも読み手となって、彼女の話に耳を傾けてみませんか。
  • 『秋と柿と鹿と』九条
    (お題「鹿狩りのジレンマ」)
    秋――。高校生のお話。果実を手に悩む少女と、紅葉の中で決意する少年。「鹿狩りのジレンマ」の逸話に込められた、メッセージとは・・・・・・。
  • 帰無仮説佐藤弘樹
    (お題「帰無仮説」)
    目的地に向かう道はいつもわたしを憂鬱な気持ちにする。不愉快な気分で学校に向かって歩いていたわたしは、草が生い茂った奇妙な小道を見つけた。
  • 『Empty Words』鈴生れい
    (お題「ストップワード」)
    大財閥の当主が遺した謎の言葉「ストップワード」の意味を解けば莫大な遺産が手に入る。その意味について、ちょっとした推理をしてみようという話。深く考えずご覧ください。
  • 『オン・ザ・サミー・スーサイド・オブ・ストリート』弥田
    (お題「結果反価値論、行為反価値論」)
    ポップでキッチュでキャッチーでキュートな、祈りについての擬似考察小説(遺伝子組み換えでない)。
  • 『現実の引渡し』古夢
    (お題「現実の引渡し」)
    我々ユメモリは、人間の召喚に応じて彼らの夢に入り込み、彼らの望む夢を見せる。人間は引渡された現実を受け取ることで、夢から覚める。しかし、いつも恙無く引渡しが終了するというわけではない。たまには現実の受け取りを拒む者がいる。そうなると、我々はとても困るのだ。そして、どうやら今夜の契約者も、そういうお人のようだ…。
  • 『どうしてW&B、W&M、X&Y、B&S、Y&N、ですか?』御伽アリス
    (お題「グレイ」)
    アンケートにご協力ください。いえ、それほどお時間もお手間も取らせません。回答は二択式ですから面倒なことはありません。いえ、キャッチセールスじゃありません。変な宗教の勧誘でもありません。
  • 『それでも、再び』竹之内大
    (お題「うらしま太郎型とかぐや姫型」)
    真の「反省」は、とても勇敢な行為である。
  • 『毒殺の道徳』すばる
    (お題「毒殺の道徳」)
    主人公は、ある日偶然、多種の毒薬について書かれたその本の存在を知り、それを手に入れた。そして彼には、毒を手に入れる目当てと、殺意を持つ相手がいた。
  • 『仮想水』西本歩浩
    (お題「仮想水」)
    明るい水面に頭を突き出して、ぱっと目を開くと、私は川の中ではなく、ポーランド産の高級羽毛布団の中にいた。
  • 『レモン・テスト』
    (お題「レモン・テスト」)
    南校舎から歩いて三分の場所にある部室棟の、二階突き当たりにある部室には、三人の暇人が居着いているらしい。――これは、レモンを絞る男と、地味な男と、けばい女と、かわいい女の話。
  • 『壥彁墸』17+1
    (お題「みせけち」)
    漢字には名前がない。あるのは読みと意味のみだ。だから漢字そのものを呼ぶときには、似顔絵を描くより他に方法がない。しかし描き終わったときには、すでに似顔絵は本人になってしまっている。
  • 『理想とするアトリウムの使用法』安住小乃都
    (お題「アトリウム」)
    俺の兄と杏奈は良い物を作った、らしい。