2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧

故障かな、と思ったら その8(終)

「ね、ねぇクソ野郎、ソトちゃんを助けたいの?」 おどおどとしながらも汚い口調でサナがカズキに尋ねた。レヴィオストームに近づいたハナイが消えてから、数分が経過したところだった。ドーム状の空間の中央では、もう叫べなくなり始めているスズキがそれで…

故障かな、と思ったら その7

魔法少女。 幼い女の子たちの憧れの存在。 煌びやかに変身を遂げ、杖を一振りすればどんなことでもきらっと解決してしまう。 彼女たちが望み、もたらすのは二つ。 奇跡と希望。この二つ。

『血と暴力の国』・『ザ・ロード』 コーマック・マッカーシー

こんにちは。西本歩浩です。 この忙しい時期ですが、またちょっと小説を紹介したい欲にかられました。部員からも「書いて良いよ」とお許しを得たので、再びこの場を借りて本の紹介を掲載します。 今回紹介するのは、アメリカの作家、コーマック・マッカーシ…

故障かな、と思ったら その6

魔神はそれぞれが天災を司っている。嵐、津波、雷、地震、噴火、疫病、旱魃。それらはいずれも、圧倒的な暴力でもって人類に牙を向く、まさに暴虐の権化そのものだ。

バナナチップ その5

一方そのころ店の横手では、木箱の下敷きになった老爺がちょうど息を引き取るところであった。 彼の名前はスティーブン・グローブランド。『Banana Chips』の近隣に住む、心優しい男であった。年齢のせいかすこしボケているところはあったが、若い身空であり…