変わり果てたダイニングに足を踏み入れた和志は呆然と立ち尽くした。両親の姿は無い。共働きの二人が外出済みなのはいつものことだったが、別の明らかな異変が彼の目の前に現れていた。
まったく同じものを見ても、人によってその見え方が違う、ということはある。例えば錯視。一つの絵を見ても、あるものはそれを老人と呼び、あるものは少女と呼ぶ。錯視は色の認識を変えることも可能だ。周囲の配色や影を利用することによって、同じはずの色…
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