2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ななそじあまりむつ その4

スケイチは思わず後ずさりをした。目の前に立つ白装束の男から放たれるただらなぬ威圧感に、押しつぶされてしまいそうな気分だった。全身の筋肉が強張り、身体を上手く動かすことが出来ない。口を開くことすらままならない状態だった。 「ここでなにをしてい…

ななそじあまりむつ その3

スケイチの村にはある風習があった。山の麓の岩壁に御印が現れたら、神に村人を一人供えなければならない。そして、生まれたばかりの赤子を一人、次の贄として麓の小さな洞窟で他の村人と関わらないように育てるのだ。