blue-ryu-comic blue-spring-jojo その11(3)

 これが自分のパートの最後です。

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「私は真相に辿り着いてません。というより犯人の見当すらつきません。だから私を殺しても意味はありません」
 我ながら滅茶苦茶な論法だ。案の定、ダイニングに集まった青波関係者らは白けた目を私に向けている。私に対する不信感が芽生えてしまうのはできれば避けたかったが、しかしその不信は私の探偵としての能力に向けられるはずだ。よもや犯人であるなどと疑われはしないだろう。……今はまだ。
 正直、こんなものは時間稼ぎの茶番に過ぎない。今大切なのは、嵐が明けるまでは東条、あるいは他のぽっと出の名探偵に私の犯行を暴かれないことだ。
「そうですね、こういう言い方が妥当なのではないでしょうか。犯人は偶然と疑心暗鬼二人の共犯です。ほら、私には犯人の目星がついていますよ」
 どうですかと言わんばかりに胸を張って見せるが、誰も何も言ってこない。
 ダイニングに集まった人々はやがて私の妄言に呆れ果て、静々とそれぞれの部屋へと引き返していった。
 まぁ、こんなところだろうか。一応探偵助手としての役割は果たしたとしよう。




 まだ調べたいことがある、と断ってから私は眼鏡山の部屋に戻った。部屋の中央には私が運んできたときと同じように彼の死体が横たわっている。よく調べれば彼の体が雨に塗れていることも庭の泥がついていることもすぐにわかるのだが、今のこの屋敷には仮にも探偵助手である私に先立って死体を検めようとする出しゃばりはいないはずだ。
 私は眼鏡山の鞄の中を改めて探った。弓子の写真は財布の中だけではなく鍵入れや定期入れにも収められていた。写真の弓子の晴れやかな笑顔を見ていると懐かしさで胸が一杯になる。しかしこの写真をこの男が持っていたということは、できれば目を逸らしたい事実だった。
「……ん? これって……」
 鞄の奥から何やら物々しいスチールのケースが出てきた。その中には古い書簡が入っており、私はそれを広げて目の前に掲げた。
 それは眼鏡山の遺書だった。

 ──いずれにせよ、この短文が貴兄の目に触れているということは、私はもうとっくに鬼籍に入っていることだろう。

 紙質の古さから、最近書かれたものではないことは一目瞭然だった。

 ──狂人のレッテルを張られて貶められる最期だけは、たとえこの身がみじめな落伍者に過ぎないとしても、寛恕することはできない。

 狂人……? どういうことだ?
 恐らく眼鏡山は弓子に対し偏執的な愛を抱いていたのだろう。眼鏡山の名を聞いたときの弓子の反応からすると、それは彼女にとって到底受け入れられるものではなかったことが容易に想像できる。
 しかし、この遺書の意味は……。

 ──まずもって、浪岡弓子女史を死に至らしめたのは私である。

 東条の言うように、確かに眼鏡山はバルコニーに細工を施したのだ。だが。

 ──私の狙いはむしろ浪岡粉太郎氏にあったのだ。
 ──私が声を大にして言いたいのは、弓子女史は死ぬべきではなかったということ、そして粉太郎氏を殺す私の計画に対して明らかに何者かの妨害があったということだ。
 ──これまでの数多の事件と同様の冷静さを保ち、必ずや下手人を検挙する決意を込めて。

 何だ、これは……。
 計画、妨害、真犯人の存在?
 ……何なんだ、これは!
 もし、もしこれが真実だとするのなら、もし眼鏡山以外に真犯人がいるとするなら、これはどういうことになる? 眼鏡山が粉太郎に対して抱いていた殺意とは、恐らく弓子を奪われたことに起因するもので、そう、この文面からすると粉太郎と眼鏡山は知り合いで、だから眼鏡山は古尾谷と名乗り変装する必要があった。変装する必要があったのは浪岡に入る必要があったからで、それは何故かというと、──必ずや下手人を検挙する決意を込めて、これだ。このために眼鏡山は……!
 今回の頼子の死は恐らく本当に事故だった。しかし十五年前のことを知っている眼鏡山はこれが殺人ではないか、十五年前の再現ではないかと勘ぐった。十五年前に眼鏡山の計略を利用して弓子を殺した犯人が、今また同じ凶行を繰り返そうとしているのかもしれないと思って、それで双草荘へ調査にやってきた。そういうこと、なのか。
 なら、それなら私は……。
 つまり私は、殺すべき相手を間違えたのか……!?
 思い出せ。眼鏡山は屋敷に武生の知り合いを集めた。彼はその場で犯人を摘発する気だったのではないか。つまり、彼は今回の調査で弓子を殺した真犯人にたどり着き、そして──。


 鞄の中にはもう一つ、真新しい手帳があった。
 それは探偵手帳
 そこには彼が調べ上げた、十五年前の事件の真相が記されていた。


「あら? どうしたの? 可愛い探偵さん」
 薄暗い廊下、洗面所の前に神埼朱実は一人でいた。そこは屋敷の三階北側であり、客人たちの部屋とも青波家人の部屋とも遠く離れている。こんなところに彼女がいるということは、恐らく夫である神埼が執筆中で二人の部屋を占拠しているからだろう。要するに、今ここには私と彼女を除けば人目はないということだ。
「お話があります」
「何かしら?」
 朱実は嫣然と微笑む。
「浪岡弓子という女性をご存知ですか?」
 その名を口にした瞬間、彼女の表情に不快感が浮かび上がった。
「聞いたことがあるわね。確か、ここのお隣さんの若奥様、だったかしら。九年前に死んだって聞いてるわ」
「それ以上のことは、何か知りませんか? 彼女に関して」
「えぇ、知らないわ。何が言いたいの?」
「大した話ではありませんよ。私自身、妙な話だと首をひねっているところなのですが、私の探偵が遺したメモには、あなたが弓子さんを殺害したと、こう書かれているんですよね。どういうことかと、ちょっと気になって」
 できるだけ軽薄そうに、ただの世間話でもするかのような口調で私はそう言った。
「それは実に面白い話ね」
 不快さを隠そうとしない声色だったが、彼女の顔からは余裕の笑みが消えなかった。
「えぇ、面白いでしょう。我が探偵・眼鏡山は今回の事件に加え、九年前の事件の真相も調べていたらしいんですよね。何でもその昔、あなたのご主人が浪岡弓子と浮気をしていることに気づいたあなたは……」
 声が裏返りそうになる。……堪えろ。押し込めるんだ、この無念を。
 双草荘へ頻繁に出入りする神埼に、朱実は浮気の疑いをかけていたのだ。そしてあの時──神崎が私と弓子を連れて外出したとき、彼の隣にいた弓子を見て彼女は確信したのだろう。この女が、と。
「嫉妬のあまり、浪岡弓子をバルコニーから突き落として殺した、と。ありえない、おかしな話ですよね」
「そうかしら? 私には、驚くほど突飛な話には聞こえないわね。あぁ、探偵さんにはわからないかもしれないわ。あなた、せいぜい十五かそこいらでしょう? そうね、もう少し大人になれば、若い娘に夫を寝取られることがどれほどの屈辱か理解できるようになると思うわ。だから殺した──」
 くすり、と彼女は微笑む。
「あなたの探偵さんの推理は、ありえないから面白いんじゃないわ。本当にありそうだから面白いのよ」
「あなたはこの推理を否定されるんですか?」
 気持ちを押さえ込んでいても、私の声はどうしても震えてしまった。幸いなことに彼女はそんな私の機微には気づかなかったらしく、目を細め、口角を歪めて邪な表情を浮かべる。
「さぁ、どうかしらね。面白いとしか答えようがないわ。けど……そうね、もう六年もしたら、全てをはっきりと教えてあげましょう。ちょうどいいわ、あなたも大人になっている頃でしょうし」
 六年──?
「十五年。十五年ね。大人になれば月日が経つのは早いと言うけれど、私にとっての十五年はきっとあなたにとっての十五年よりも長いわねぇ。早く過ぎてくれないかしら」
 そう言って彼女は背を向け、さも可笑しそうに笑うのだ。
 ようやく私は気づいた。時効のことを言っているのだ。この国では死に値する罪状も、十五年の時を経れば公訴されることはない。
 生き延びるつもりなのだ。この女は。
 弓子を殺したことに対する罪悪感など欠片もなく、のうのうと──。


 探偵は、いつも正義の味方とは限らない。
 父は私にそう言った。
 なら、私はまだ探偵でいてもいいのだろうか。


 背後に慌てた足音が聞こえ、私ははっと振り返った。
 暗い廊下を若い女給が背を向けて駆けていく。
 ──まずい!
 逃げ出したということは、今この廊下へ来たばかりだという事だ。なら朱実の首を絞める瞬間は見られていないか……いや、駄目だ! 死体を吊るし上げるところを見られていたら、もし見られていたとしたら、そうでなくても私が死体の前にいてそれを眺めているこの状況をどう説明したら……!


 朱実の死体を見つけられたときに悲鳴を上げられなかったのは幸いだった。確かこの女給は風邪で声がうまく出ないのだった。しかし証言はできる。証言することが出来るのなら、生かしては置けない。生かしては置けなかった。
 しかしこの三回目の殺人はまずい。人気のなかった青波家の廊下ですら結局見つかってしまった。その点を反省し、女給の喉笛をナイフで切り裂いた後、私はすぐに屋敷の外へと身を隠した。だがすぐに現場を離れたために、何か手がかり残していないか確認することが出来なかった。
 浪岡邸に悲鳴が上がる。女給の死体が誰かに見つかったようだ。東条は……私の犯行だと気づくだろうか……?
 ……彼のことを気にしては駄目だ。私は今は探偵なのだから、あくまでも犯人を追い詰める立場を取らないと。
 私は、探偵……。
 ナイフで喉をかき切る感触は、昔辰夫らを傷つけたときのそれに比べるとずっと気持ち悪かった。私は間近ではっきりと女給の喉から血が噴出すのを見ていた。彼女の体から力が抜けて、廊下の絨毯の上に崩れ落ちていくのを、私は血の滴るナイフを片手に持ったまま見ていた。
 ……あぁもうっ、こんな回想、まるで犯人役ではないか。
 違う、私は探偵なのだ!
 あの暗雲から降りしきる雨が私の体から血を洗い流してくれる。どうも今宵の雨は私に優しいらしい。
 青波邸へ戻れば私は再び探偵となり、この惨劇の犯人を突き止めるべくこの優秀な頭脳を発揮するのだ。こんなところで立ち尽くしている暇はない。
 間もなく、青波邸からも遺体第一発見者の悲鳴が聞こえてきた。急いで戻らなければ。
 それにしても、気になることがある。
 あの女給、どうして浪岡邸にいたんだろう。一階までは追いかけていったのにふっと姿が見えなくなって、運よく浪岡邸に目を向けたときに窓の向こうに彼女の姿を発見できたからよかったものの、気づかなかったら浪岡の連中に助けを求められていたところだった。
 青波と浪岡は同じ敷地内にあるというだけで内部は繋がっていない。それなのにあの女給は私が殺めたとき雨に塗れた様子は無かった。これはどういうことだ? 彼女は一体どうやって青波邸から浪岡邸へ逃れた……?


 妻の遺体を目の当たりにした神崎──神埼の動揺は目を覆いたくなるようなものだった。彼でなくとも、犯罪がまだ続いていることに青波家の人々は一層不安を掻き立てられている様子だった。当然といえば当然だ。眼鏡山の死までは動機に説明がついた。犯人を探り当てた眼鏡山を犯人が口封じのために殺したのだ。となればそれ以上の殺人は起こらない。そういった安堵を誰もが抱いていたはずなのだ。実際私も眼鏡山の探偵手帳を見つけるまではそう思っていた。これ以上の人死にはない、と。
 神埼の動揺はなかなか治まらなかった。彼のことは他の人に任せ、私は朱実の遺留品を調べると断ってから神埼夫妻の部屋を訪れた。こういうとき探偵権限と言うものは便利だ。まさかとは思うが、眼鏡山の時と同様に朱実の手荷物の中に過去の事件に関連する何かがあるかもしれない。もしそういったものが見つかれば、私はそれを隠滅するつもりだった。
 しかし期待は外れ、朱実の手荷物からはこれと言った目ぼしい物証は得られなかった。他に何かないかと部屋を見回すと、机の上に積まれていた書きかけの原稿用紙が目に留まった。原稿はどうやら神埼のもののようで、奇妙なことに手書き文字とワープロによる印字が混淆していた。もしかすると、片方は神埼、もう片方は神崎が執筆していたとか……。そんなことを始めのうちは考えていたのだが、その内容に目を通すうちにもっと重大な点に私は気づいた。
「何、これ……」
 そこに書かれていたのは今宵浪岡邸で起きている惨劇そのものであり、まさに女給の死体が発見されたところで執筆が止まっていた。


 ダイニングには神埼を除く青波家の面々が揃っていた。数時間前までは多少の談笑もここにはあったのだが、朱実の死によって皆の心中に芽生えた疑心暗鬼がダイニングから会話を消し去っていた。
 私はソファに腰掛け、先ほど見つけた原稿の意味を考えていた。神埼のあの原稿と現在浪岡邸が置かれている状況の一致が偶然だとは思えない。まるでその目で見てきたかのように、事細かに向こうの家の状況が記されているのだ。最も注目すべきなのは朱実の死が発覚するより前に女給の死が書き記されている点だ。このことから、この屋敷の状況から浪岡邸で事件が起きているという架空の物語を紡ぎ出しているという線は消える。つまり、神埼は何らかの方法で浪岡邸の状況を知ることが出来るのだ。しかし神埼が雨の中外へ出たような様子は見受けられない。これは一体どういうことなのか。
 しかしもし仮に東条が神崎に何らかの形で情報を流しているとしたら。あるいは神崎に流しているのだとしたら。あの原稿は、情報を得ていない人格が無意識に向こうの家の状況を小説として書いてしまったということになるのか。
 真相がどうあれ、あの原稿は非常に不気味だ。神埼をこのまま放置しておいていいのだろうか……。仮に、私の動向が東条に筒抜けだとしたら……。


 私は一計を案じた。
 青波家の連中に、神埼の部屋で疑わしい証拠を発見したと吹き込み、神埼へと彼らの疑いの目を向けた。そして機を見計らって屋敷の電気を消し、部屋から出てきた神埼を取り押さえてパントリーに閉じ込めた。とにかく、閉じ込めてしまえばこちらから情報が渡るということはないはずだ。その場しのぎに過ぎないとはいえ、これで一先ず安心だ。今最も恐れるべきなのは、双草荘に残った最後の名探偵、東条の目がこちらを向くことなのだから。
 それにこうしておけば……。
 神埼が犯人であるうちは、私に疑いの目が向けられることはないはずだ。
 自らの父親を犯人に仕立て上げるとは、人間のすることではない。そう心のどこかで考えながらも、私は神埼の監禁に躊躇わなかった。この男は私が娘であることや弓子のことをすっかり忘れ去ってしまっている。私もそうだ。彼が自分の父親であるとはもう感じなくなっていた。


 伝えたいことがある。
 パントリーに監禁した神埼がそう言っていると私に連絡があった。神埼の見張り番をしていた輿山によれば、神埼は何やら神妙な声色であり、自白する気なのではないかと言う。無論そんなことがあるはずはないのだが、気にはなる。さて、一体何を伝えようというのだろうか。
「やれやれ、この騒ぎもようやく一件落着ということですかな」
「そうだといいのですが」
 私は神崎の言葉を胸中で反芻しながら青波武生と共に廊下を歩いていた。既に雨は上がり、現在時刻は午前五時。いつこの屋敷を逃げ出そうかと機を見計らっているのだが、もう少し探偵を続けなければならないらしい。
 青波翁を連れてパントリーの前へ戻ると、番を任せた輿山の代わりに幸夫がそこにいた。輿山はトイレだと言って席を外したらしい。緊張感のない連中だ。私は肩を竦め、パントリーの扉をくぐる。
 しかし、そこに神埼の姿は無かった。
「えっ、……どういうこと……!?」
 数時間前、私は確かにここに神埼を閉じ込めたはずだ。それ以降は皆が交代で扉を見張っている。まさか見張りの誰かが神埼を解放して……。
「あぁ、これはきっと向こうに行ったんですな」
 青波翁が渋顔で言った。
「向こう……?」
「えぇ。ふむ、これは困った。もっと早くこの屋敷の構造を説明しておくのでした。青波邸と浪岡邸の間に連絡通路はないということになっているのですが、実はこのパントリーは二つの家の一階厨房室に繋がっているのですよ」
「は、ぁ……!?」
「彼を閉じ込めるときに向こうの鍵が閉まっていることは確認しましたし、浪岡の連中は滅多にここを使わないので、彼を閉じ込める用は果たせると考えたのですが」
 何だ、って……!? それじゃ、つまり神埼はここを使って……。
「つまり、浪岡にいる誰かがパントリーを開けて神埼を逃がした、と……?」
「そのようですな。ほら、ここの扉ですよ。これが向こうの家に繋がってるんです」
 青波翁の言うように、確かにパントリーにはもう一つの扉があった。それは別段隠されているわけでもなく、青波家側の扉の反対の位置に歴然とあった。何故気づかなかったんだ……いや、そうか。神崎を閉じ込めたとき、ここが今よりずっと暗かったからだ。夜目が利かない私だけ知らなかったのだ。
 なんという、凡庸なミスを……!
「御覧なさい、鍵が開いている」
 青波はそう言って奥の扉を開けた。
 その向こうには、同じような構造のパントリーが広がっており、そしてそこには──
「あ、あっ……」
 虚ろな目で髪を掻き毟る、神埼の姿があった。

「全ての状況が機を満たしました」
 聞き慣れた声が響き、パントリー内部の浪岡側の扉が開く。その場にいた全員の視線が、こつこつと冷たい靴音を立ててパントリーに現れた東条に注がれていた。
「そちらの屋敷の状況は神崎さんから全て窺いましたよ。尤も、このような状態になる前に、ですが」
 錯乱し意味を成さない言葉を呟く神埼を見下して東条は言った。彼の背後には浪岡家の面々の姿も見える。
「明日香さん、お疲れ様でした。いかがでしたか? 探偵役は。さぞかし大変だったことでしょう。しかしご安心ください。あなたはもう探偵のふりをする必要はありません。ここからその役はこの私、東条が引き受けます」
 東条の鋭い視線が私を射抜いている。
 何もかもお見通しだと言わんばかりに。
「あ、……」
 何かを懇願するかのように、私は彼の名を呟く。
「東条(あずや)君……」


「青波の方々にはお初にお目にかかります。まずは自己紹介をさせていただきましょう。私、探偵古尾谷王次郎こと眼鏡山妻鹿男の助手にして、かつてそこにいる空条明日香さん、否、青波明日香さんと同じようにこの家を逃げ出した浪岡家長男、浪岡東条と申します」



(担当・ikakas.rights)

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 可能な限り多くの伏線を拾おうとした結果こうなりました。
 回収できなかったのは
・浪岡弓子が太陽の下に出るはずがないのは何故?
・神崎は明日香に何を伝えようとした?
・神崎は何故突然神埼に人格を交代した?
・横崎の原稿の中で横崎が東条に告白しようとした思い出したこととは?
・東条は何故粉太郎の二人目の息子の存在を尋ねた?
・タイトルの意味は?
 この六点です。
 次の担当は白霧さんです。
 伏線を回収しきるかどうかは任せます。



1968  神埼と神崎が和解し共生の道を見つける
1970  神崎が青波家の門戸を叩く
    青波頼子と神崎が不倫、青波頼子が明日香を身篭る
1971  青波頼子が明日香を出産
1972  神崎、朱美と結婚
1977.2 青波弓子が浪岡粉太郎に嫁ぎ、青波から浪岡に改姓
    神崎、青波家の明日香に頻繁に会うようになる
  .9 眼鏡山の罠によって弓子が死ぬ
    明日香6歳
    浪岡弓子15歳
1981  明日香、双草荘を脱走して東条に出会う
    明日香、空条明日香と名乗る
    空条明日香10歳
1986.9 青波頼子がバルコニーから転落して死亡
    青波武生、眼鏡山(古尾谷王次郎)に頼子の死の調査を依頼
  .10 双草荘連続殺人事件発生
    空条明日香15歳